原油ETFについて

原油ETFは、「ロールオーバーコスト」でかなり損が出る事を知らずに投資する人が多いようです。 ファンマネでもわかってない人もいますし、一回聞いただけではわかりづらい話だと思います。

まず前提として、原油ETFは原油の先物に投資していて、1ヶ月に一度、ロールオーバーということをする必要があります。

原油の先物は受渡日が決まっており、1ヶ月ごとに種類が異なります。例えば受渡日が5月である場合は5月限、6月である場合は6月限と呼ばれています。

原油ETFは、最も近い限月の原油先物に投資していることが多いため、その先物の最終取引日が来る前に、最終取引日がもっと先の先物に乗り換える必要があるのです。 例えば大暴落した5月限(4/21最終取引日)の原油先物に投資しているETFは、最終取引日の4/21より前に次の6月限(5/19最終取引日)に乗り換える必要があります。

これを「ロールオーバー」と言います。

仮に最終取引日まで保有していると、原油を指定場所に受け取りに行かないとなりません。 原油取扱業者じゃない限り、とてもじゃないですが受け取れないわけで、投げ売りすることになりますよね。
通常はこういうリスクがあることから最終取引日より早くロールオーバーしています。
シンプレックスの原油ETF(1671)は2、3週間前、野村の原油ETF(1699)は1ヶ月前くらいとの噂です。

そして、このロールオーバーにかかるコストを「ロールオーバーコスト」と言います。
例えば、あるETFのロールオーバーで、5月限の原油先物(15ドルと仮定)を売却し、次の6月限の原油先物(20ドルと仮定)を購入する場合、ロールオーバーコストは

(15-20)÷ 15 ≒ -0.33

すなわち、ロールオーバーコストは-33%となり、ロールオーバー前のETFの価格が100だった場合、ロールオーバー後には-67となってしまうのです。これが原油ETFの恐ろしいところです。

しかも原油は保管コストが高いため、受渡日が先である原油先物のほうが価格が高いことが多いです。
なぜなら、受渡日が先の先物を購入している場合、保管コストを払わずに後で原油を受け取ることができるからです。
逆に、受渡日が近い先物は、すぐに受け取るため保管コストもほぼかからないことから安いことが多いです。
つまり、原油のような保管にお金がかかる商品については、ロールオーバーコストは基本的には発生するのです。

最近の原油急落を受けてロールオーバーのタイミングを早める業者が増えてきて、アクティブな6月限ではなく、7月限にすでに乗り換えているところもあるとのことです。
現在業者によって原油価格が違うことがあるのはこのせいです。確かに7月限の方が暴落しないという安心感があるが、その分OPECなどが追加減産を決めたときなどにアップサイドが少なくなります。

ちなみに史上初めてマイナスになった原油先物(5月限)から、6月限(今の原油価格とされる先物)に変わったあとも原油価格は6ドル台に急落しましたが、 これはマイナス価格を恐れた原油ETF運営者が、さらに早めの乗り換えを進めたせいとも言われています。
通常では保有するはずの6月限の原油先物を売って、一ヶ月先の7月限の原油を先物買ったことによる影響です。

【原油の投げ売りについて】
原油先物といってもWTI、ブレント、ドバイ等があります。 WTIは原油の受渡場所がオクラホマ州というタンカーポートから数百km離れた不便な場所にある一方、ブレントはタンカーポートから近い場所で受渡可能です。よってブレントではマイナスの投売は起こりづらいと考えられます。

石油を一度に大量に輸送・保存できるタンカーがあっても、そこまで運ぶ距離がありすぎるわけですね、WTIは。
原油の輸送にトラックなんか使ってたらコストかかりすぎます。米国は昔は原油の輸出を禁止してたから、オクラホマという内陸部にあるというわけです。シェール革命によって米国が産出量1位なるとは当時の人は想像していなかったでしょうね。


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